「合理的経済人」と実際の人間の判断の違いに着目し、その間を埋めようという野心的な試み、それが「行動経済学」である。経済学の標準理論と心理学、果ては脳神経学までミックスする超学際的領域だ。非常に面白いが、けっきょく「人間とは何か」ということについて真正面から取り組む学問であり、研究者には大変困難な道のりが待ち受けているだろう。標準経済学に対する批判にとどまらない、ある程度の精度をもって人間の経済行動の中身を解き明かすことができるのか。これからの発展が楽しみだ。
以下リマインダー
・後知恵バイアス=過ぎたことにくよくよするな
・ギャンブラーの誤謬=イチローでも5タコの日があるし、カツノリでも猛打賞の日がある
・アンカリング=最初の提案価格に引きずられる→フレーミング効果
・確証バイアス=最初の考えに有利な情報ばかり集める
・投影バイアス=現在の状態が今後も続くと強く思う
・区別バイアス=数量的な差(例・給与は過大評価され、質的差(例・仕事の面白さ)は過小評価される
・損失は同額の利得よりも強く評価される→現状維持バイアス
・価値は参照点との比較・変化で測られ、絶対的ではない
・利得も損失も値が小さいときはその変化に敏感である